鼠径ヘルニア

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「ヘルニア」とは臓器や組織が本来あるべき位置から体の弱い部分や隙間を通って飛び出した状態を指します。

部位により鼠径ヘルニア、食道裂孔ヘルニア、臍ヘルニア、椎間板ヘルニア、脳ヘルニアなどがあります。

鼠経ヘルニアとは足の付け根あたりが膨らんでしまう状態で、別名「脱腸」とも呼ばれています。
腸が出る場合もあれば、卵巣、膀胱が出る場合もあります。

厚生労働省のデータによりますと令和5年度には60代後半から80代前半のおよそ13万人の方が手術を受けています。

タイプ

  • 外鼠経ヘルニア
  • 内鼠経ヘルニア
  • 大腿ヘルニア

の3種類があり、外鼠径ヘルニアは男性に多く、また、大腿ヘルニアは女性に発症することが多いと言われています。

症状

初期症状は、朝起き上がった時や、お腹に力を入れた時に鼠径部にやわらかい膨らみを感じます。普通は、指で押さえたり、横になるとその膨らみは引っ込みます。ほかにも下記のような症状が時々起こります。

  • 鼠経部の膨らみ(膨隆)
  • 突っ張り感
  • 不快感や違和感
  • 痛み
  • 内臓が引っ張られる感覚 など

原因

  • 先天性:生まれつきヘルニア嚢が存在する場合。
  • 後天性:加齢や腹壁の脆弱化、長時間の立位や座位、重い物を持つなどの慢性的な圧力によるもの

診断

問診と患部の視診・触診で診断可能です。
詳しく調べるために超音波検査やCT検査などの画像検査を行うことがあります。

治療

自然に治ることはありませんので、外科、消化器外科に早めの受診が必要です。 

手術法

  1. 鼠径部切開法
  2. 腹腔鏡手術
  3. ロボット支援手術

どの手術法でも飛び出た腸を戻し、弱くなった部分を人工膜で覆います。
現在、日帰り手術や状況によっては1~3日入院する場合もあります。
腹腔鏡手術やロボット支援手術は、骨盤腔内(大腸・前立腺・婦人科の手術)の手術を受けた方には、不向きな場合があります。

注意すべき危険なサイン:嵌頓(かんとん)の症状

放置していると、飛び出した腸が筋肉で締め付けられ、お腹の中に戻らなくなる「嵌頓」という状態になることがあります。これは血流が途絶え、腸が壊死(えし)する危険があるため、緊急手術が必要です。以下のような症状がみられた場合は、すぐに医療機関を受診してください。

  • 鼠径部の膨らみが急に硬くなり、手で押しても戻らない
  • 我慢できないほどの激しい痛みがある
  • 吐き気や嘔吐、お腹の張り(腹部膨満感)を伴う

鼠径部が腫れるその他の疾患

鼠径部が膨らんだり痛くなったりするのは鼠経ヘルニアだけとは限りません。

  • リンパ節の腫脹・炎症
  • 蜂窩織炎
  • 転移性リンパ節腫脹(消化器・婦人科・泌尿器系などのがんによる)
  • 悪性リンパ腫
  • アテローム(粉瘤)
  • 脂肪腫
  • 停留精巣(外鼠径部ヘルニアとの鑑別が必要)

などがありますので、気になることがあれば自己判断せずに、お気軽にご相談ください。

モモ・メディカル・クリニック

院長 百瀬 隆二

(ももせ りゅうじ)

  • 日本外科学会 外科専門医
  • 日本消化器外科学会 認定医
  • 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
  • 日本医師会認定産業医