高血圧

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血圧とは?

血圧とは、心臓から出る血流が血管の壁を押す圧力のことです。血圧は収縮期血圧(“上の血圧”)と拡張期血圧(“下の血圧”)の2つで表示されます。心臓が収縮して血液が心臓から送り出されるときの血圧が収縮期血圧、そして心臓が拡張して血液を貯めているときの圧力が拡張期血圧です。拡張期の血圧を作り出しているのは心臓ではなく大動脈の弾性力です。血圧の値は、心臓から押し出される血液の量と、血管の壁の固さに左右されます。
血圧は健康な人でも日常的に変動していて、激しい運動や、温度の急激な変化、興奮や排便時のいきみなどで上昇したり、睡眠や入浴後には低下したりします。

血圧は、腎臓や神経系、内分泌系、血管内皮からの物質など、多くの因子によって調整されていますし、食塩も重要です。

高血圧症とは

高血圧というのは、血圧が高いという1つの症状です。たまたま測った血圧が高いときには血圧が高いといえますが「高血圧症」とは言い切れません。高血圧症とは、くり返して測っても血圧が正常より高い場合をいいます。診察室でのくり返しの測定で最高血圧が140mmHg以上、あるいは、最低血圧が90mmHg以上であれば、高血圧と診断されます。

  • 目標血圧(2025年ガイドライン変更 全年齢共通)
  • 診察室血圧:130/80 mmHg未満 を基本目標とする。
  • 家庭血圧(朝・晩の平均):125/75 mmHg未満 を目安とする。

ただし、実際には「めまい・ふらつき・腎機能低下・高齢で虚弱(フレイル)傾向」などがある場合には、個別に目標値を緩やかに調整することが明記されています。

高血圧症の種類

本態性高血圧症

原因の判らないものをいい、高血圧症の約90%がこれに入ります。本態性高血圧症は遺伝的な因子や生活習慣などの環境因子が関与しており、生活習慣病といわれています。原因としては以下のことが考えられます。

  • 過剰な塩分摂取
  • 肥満
  • 過剰飲酒
  • 精神的ストレス
  • 自律神経の調節異常
  • 運動不足
  • 野菜や果物(カリウムなどのミネラル)不足
  • 喫煙
二次性高血圧症

体の中に血圧上昇の原因となるはっきりした病気がある時にはこれを二次性高血圧症と呼びます。この中には、腎動脈狭窄、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫などのように外科手術により高血圧の治療が期待できるものが含まれます。    

高血圧症から起こる病気

高血圧状態が長く続くと血管はいつも張りつめた状態におかれ、次第に厚く、しかも硬くなります。これが高血圧による動脈硬化で、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞、大動脈瘤、腎硬化症、眼底出血などの原因となります。また、心臓は高い血圧にうち勝つため無理をすることになり、心臓肥大が起こり、心不全になることもあります。したがって、こうした合併症を予防するためには、高血圧にならないように注意し、既に高血圧の人は血圧を正常化することが必要です。

日常生活の留意点について

(1)減塩について

塩分をとり過ぎると体内に水分が蓄積し、血流量を増加させます。これにより血圧が上昇します。1日6g未満を目標にしましょう。
醤油をかけず、つけて食べたり、味噌汁やラーメンのスープを残すなど工夫しましょう。

(2)寒さについて

暖かい所から急に寒い所へ出ると、血管が収縮し、血圧が上がります。特に冬は室内と外気との差をなるべく少なくするようにしましょう。
具体的には

  • 外出時、マスクやマフラー、手袋などで肌の露出部分を少なくする。
  • リビングと浴室、便所の温度差が少ないよう暖房や着衣に気を付ける。

(3)入浴について

入浴も血圧の上昇や下降に関係します。特に冬は、寒い脱衣所で裸になると血圧が上がり、熱い風呂に入るとさらに上昇し、風呂に浸かっていると徐々に下がります。そして、風呂から上がると血圧は大きく下がります。40℃ぐらいの温度で入りましょう。風呂場は寒くないよう暖房をつけたり、湯気がたっている状態で入りましょう。

(4)排便について

いきみの時間が長いと血圧が上がります。

スムーズな便通を心掛けるよう普段から便秘に気を付けましょう。

具体的には、

  • 起床後、冷水や冷たい牛乳を飲む。
  • 毎日便意がなくても、決まった時間にトイレに行く。
  • 胃や大腸は朝食後に刺激を受け、活発に動くので朝食をとりましょう。
  • 繊維の多い野菜(人参・大根・ごぼう)や海藻類を多く摂る。
  • 腹部を「の」の字にマッサージする。
  • 下剤が必要な場合もあります。
  • 和式トイレより洋式トイレ(トイレもできれば暖かくする)

(5)十分な睡眠と休養について

毎日、仕事や家事、育児など社会生活を営んでいれば、必ず過労や緊張、精神的ストレスがありますがなるべくとり除きたいものです。そのためにも、毎日規則正しい生活を送り休養を十分にとり疲れを残さないようにしましょう。過重労働・超過勤務・夜更かしは禁物です。

(6)たばこについて

「百害あって一利なし」とはまさにたばこです。喫煙により血管が収縮し、一時的に血圧が上がるばかりでなく、血液の流れを悪くし、血液が凝固しやすくなり、動脈硬化の原因となります。そうでなくても私達の体は加齢と共に動脈硬化が進んでいます。あなたの血管は、長期間の喫煙により、ボロボロになっていませんか?

(7)お酒について

1日の飲酒量は、男性ではアルコールとして1日20〜30mlまで、日本酒なら1合=180cc、ビール中びん1本、ウイスキー水割ならシングル2杯まで。女性はその半分までが適量です。
大量飲酒は血圧を上げ、脳卒中や心臓病、肝臓病などの原因に、また、がんのリスクにもなります。

(8)肥満について

太り過ぎは血圧を上げ、心臓にも負担をかけ、全身の動脈硬化を進めたりします。肥満判定基準で男女共に、BMI=25以上は肥満といえます。

(9)運動や労作について

運動や労作の許される程度は、その人の高血圧の重症度や合併症の有無と関連するので、まず医師にどの程度、運動しても良いかをたずねてみましょう。軽い運動(散歩・自分のペースでのジョギング・ラジオ体操・自転車に乗る)は、血液の流れを良くし、全身に良いだけでなく、肥満防止につながり気分転換にもってこいです。但し、運動をしていて、息切れが強い、胸がドキドキする、頭がフラフラするなどの症状が起こる時は、医師に相談して下さい。

食事について

  • インスタントラーメン、カップ麺
  • 漬物、梅干し
  • ハム、ソーセージ、ベーコン
  • スナック菓子、せんべい
  • ファストフード、丼物やラーメンなど外食

これらは1食で 1日の推奨量(6g未満) を超えてしまうこともあります。【日本高血圧学会ガイドライン2025】

  • スープ、みそ汁は残す
  • 減塩しょうゆ、減塩みそを使用
  • 香辛料やレモン汁で味を補う
  • 清涼飲料水:糖分多く肥満や糖尿病リスクが増加し高血圧悪化(成分表をチェックしましょう)
  • ビール・日本酒など糖質が多い酒類は注意
  • 揚げ物や菓子パン
  • ケーキ・スナック菓子
  • ラードやバターを多く使った料理

家庭で血圧を測定される方へ

血圧は、運動・安静・入浴・排便・食事・睡眠・体調・精神緊張等の条件で著しく変わります。

(1)いつも同じ腕・姿勢・時間に測るようにしましょう

  • 椅子に座り、肘を伸ばし、上腕で
  • 起床後1時間以内(食事、服薬の前に)
  • 就寝前
  • 体調が悪いときに測り、記録しましょう。

(2)高血圧の薬を飲まれている方へ

a. 主治医の指示がない限り、自分で判断して調節したり中止しないようにしましょう。

b. 薬を途中で中止すると、血圧は以前の値に戻り、時にはそれ以上に上昇し、高血圧による合併症を起こすことがあります。

c. 副作用や、何か異常のある時は主治医に相談しましょう。

モモ・メディカル・クリニック

院長 百瀬 隆二

(ももせ りゅうじ)

  • 日本外科学会 外科専門医
  • 日本消化器外科学会 認定医
  • 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
  • 日本医師会認定産業医