過敏性腸症候群
(Irritable Bowel Syndrome IBS)
このような症状でお悩みの方は過敏性腸症候群かもしれません。
- 通勤途中におなかが痛くなりトイレに駆け込む
- 会議、試験の前におなかが痛くなる
- 腹痛が排便により軽快する
- 高脂肪食により症状が悪化する
概要
IBSはお腹の痛みや不快感があり、それに関連して下痢や便秘といった便通異常が数か月以上続く状態で、大腸に腫瘍(がんやポリープなど)や炎症などの病気がない場合に考えられる疾患です。
IBSは命に関わる重い病気ではありませんが、上述したようなお腹の症状が長期間続く為、日常生活にも影響を及ぼします。
IBSの発症頻度はおよそ15%と言われ、10~40歳代に多く年齢とともに減ってくるよく見られる疾患です。男性は下痢型、女性は便秘型が多い傾向にあります。
過敏性腸症候群(IBS)の発症メカニズム
IBSの発症原因は明確には分かっていませんが、心理的ストレスがIBSの発症に関わっていると言われています。人はストレスを感じることで脳内からホルモンが分泌され、そのホルモンが腸管を刺激することで、腸管の異常を引き起こします。
ストレスを長期間感じ続けることで、副交感神経系に異常が生じ、排便に関わる腸管の蠕動運動が増強されたり(下痢を誘発)、減弱されたり(便秘を誘発)します。また、副交感神経系の乱れが原因で腸管の表面が過敏状態となってしまい、少しの刺激でも腹痛に感じてしまいます。
症状
過敏性腸症候群の代表的な症状に、慢性的な腹痛と繰り返される便秘や下痢が挙げられます。排便後は一時的に症状が治まり楽になりますが、時間がたつと再び症状が現れる傾向があります。また、睡眠時には腹痛や下痢・便秘といった症状が現れない事も特徴です。
過敏性腸症候群の便通異常には、下痢型、便秘型、下痢と便秘を繰り返す交代型の3種類あります。腹部膨満感(お腹の張り)、お腹が鳴る、おならのコントロールがうまくできないといった症状や、お腹や排便以外にも疲労感、ストレス、集中力の欠如といった症状も現れる場合があります。
診断
腹痛を伴う便通異常(下痢、便秘)があり排便による症状改善を認め、行動制限状態において症状増悪がある場合IBSと診断します。
必要に応じ血液検査、腹部レントゲン検査、下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)を行い甲状腺疾患、大腸がんや炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)でないことを確認します。
治療
患者様が抱える症状に合った最適なものを処方いたします。
薬物療法
セロトニン受容体拮抗薬、高分子重合体、消化管運動機能改善薬、乳酸菌製剤、下剤、抗コリン剤の中から適切な医薬品を処方します。
日常生活の中で気を付ける事
- 充分な睡眠をとりましょう
- 運動:散歩やジョギングなど体を動かし気分転換を図りましょう
- 下痢型:香辛料や冷たい飲食物、乳製品、高脂肪食、アルコールは控えましょう
- 便秘型:食物繊維の多いものを摂りましょう
お問い合わせ
モモ・メディカル・クリニックでは過敏性腸症候群の治療にも力を入れています。
腹痛を伴う便通異常(下痢、便秘)でお困りの方は一度ご相談下さい。