胃がん
胃がんとは
胃がんは、胃の壁の最も内側にある粘膜内の細胞が、何らかの原因でがん細胞になることから始まります。特殊な胃がんとして、主に胃壁の中で広がって粘膜の表⾯にはあまり現れない「スキルス胃がん」があります。
1.発生要因
胃がんの発生要因としては、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の感染、喫煙があります。その他には、食塩・高塩分食品の摂取が、発生する危険性を高めることが報告されています。
2.症状
胃がんは、早い段階(早期がん)では自覚症状がほとんどなく、かなり進行しても症状がない場合があります。
症状としてはいわゆる胃の痛み・不快感・違和感、胸やけ、吐き気、食欲不振などです。
これらは胃炎、胃潰瘍、逆流性食道炎でも見られます。
また、食事がつかえる、体重が減る、といった症状がある場合は、進行胃がんの可能性もあります。このような症状があれば、速やかに医療機関を受診しましょう。
3.診断
1.がんを確定するための検査
内視鏡検査やX線検査などを行い、病変の有無や場所を調べます。内視鏡検査で胃の内部を見て、がんが疑われるところがあると、その部分をつまんで取り(生検:せいけん)、病理検査で胃がんかどうかが確定します。
1)X線検査
2)胃内視鏡検査(胃カメラ)
2.がんの進行度を診断する検査
治療の方針を決めるためには、がんの深さや膵臓・肝臓・腸などの胃に隣り合った臓器への広がり、離れた臓器やリンパ節などへの転移を調べて胃がんの進行度を診断します。そのため、さらに、CT検査、MRI検査、PET検査などを行います。
1)CT
2)MRI
3)PET
4.治療
1.内視鏡的治療=早期がんが対象
1)内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
2)内視鏡的粘膜切除術(EMR)
内視鏡治療ですむのが理想的、そのためには定期的に胃内視鏡検査(胃カメラ)検査を受けましょう。
2.手術
胃切除術(胃全摘術、幽門測胃切除術など)
手術になればいわゆる胃袋が一部、または全部無くなってしまうので食事量が減り、5Kg~10Kgの体重が減少してしまいます。他に貧血、逆流性食道炎、ダンピング症候群、骨粗鬆症、消化吸収障害が起きたりします。
3.化学療法(抗がん剤治療)
1)手術によりがんを取りきることが難しい場合やがんが再発した場合に行います。
2)手術でがんが切除できた場合でも目に見えないがんが残っていて再発を予防するために行います。
化学療法を受けるには入院、または通院する必要があります。薬の影響で食欲が落ちたり、吐き気、口内炎、脱毛、白血球減少、肝機能障害、腎機能障害など薬により様々な副作用が起こります。最近では、様々な副作用を軽減する薬もあります。
お問い合わせ
当院では胃がんの診断(胃カメラ検査)を行っております。胃がんは初期症状を感じにくく、症状を感じた頃には進行がんの可能性もあります。
定期的に胃カメラ検査を受けていただくことにより、早期がんの状態で発見し最小限の治療で済むことを目指しましょう。胃がんについてご不明な点がございましたらいつでもお気軽にご相談ください。