逆流性食道炎
このような症状でお悩みの方は逆流性食道炎かもしれません。
- 胸焼け
- 呑酸(のどの辺りや、口の中が酸っぱい)
- のどの違和感
- げっぷが多い
- つかえる感じ
- 咳き込む
- 食後に胃もたれがする
概要
逆流性食道炎は胃液、その中に含まれる胃酸が食道内に逆流することにより食道粘膜が傷ついて胸やけ、呑酸の症状を訴えたり、胸の詰まるような痛み、のどの違和感や慢性的な咳を訴える方もいらっしゃいます。
欧米諸国で多くみられる病気でしたが、近年、日本人の食生活の欧米化やピロリ菌感染率の低下に伴い、最近、患者さんの数が著しく増加しています。
逆流性食道炎は上記に記載した症状以外にも、バレット食道がん(食道腺がん)の原因になるとも言われています。
週に1回以上の頻度で胃酸が逆流している状態が続く方は、胃酸が逆流していない方と比べて食道腺がんを誘発するリスクが約7.7倍高くなるとも言われてもいます。
(N Eng J Med.1999,340(11):825-831)
その為、少しでも胸やけや呑酸などの症状があれば医療機関を受診し、精密検査(胃カメラ)をお勧めします。
逆流性食道炎の発症メカニズム
食道と胃との間には下部食道括約筋と呼ばれる筋肉が存在している為、基本的には胃の内容物(食べ物や胃酸)が食道内に逆流することはありません。
しかし、加齢や食道裂孔ヘルニア、高脂肪食摂取、アルコール摂取、肥満などの要因が加わることで下部食道括約筋が緩んでしまい、胃酸が逆流しやすい状態になります。その結果食道の粘膜を傷つけ逆流性食道炎を発症します。
猫背や前かがみの姿勢、腹部を圧迫するような衣類の着用、肥満体形は逆流性食道炎を誘発することがありますので、注意が必要です。
症状
逆流性食道炎の代表的な症状は胸焼けです。胸部の中心部が焼けるような熱い感じがするのが特徴的ですが、人によっては酸っぱい水や苦い水が喉まで逆流してくると訴える方もいます。その他の症状としては、食べ物を飲み込む際につかえる(飲み込みにくい)、げっぷが止まらない、胃もたれがする、吐き気・嘔気がするなどの症状が挙げられます。
診断
自覚症状、必要に応じて上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)による精密検査を行い診断します。
治療
逆流性食道炎の治療は薬物療法と日々の生活習慣の改善指導を行います。
薬物療法
患者様一人一人で抱えている症状は異なります。
基本的には胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬やH2ブロッカーを主に使用します。
また、胃酸の分泌を抑える薬剤のほかにも、消化管の運動機能を改善させる薬剤も併用することがあります。
日常生活での注意点
日々の生活習慣も逆流性食道炎発症に大きく関わります。
- 腹部の締め付け
- 前かがみの姿勢
- 右を下にして寝る
- 肥満(減量)
- 喫煙(禁煙)
- 食べ過ぎ
- 高脂肪食、香辛料の多いもの:焼肉、てんぷら、とんかつ、カレー
- 甘味:チョコレート、ケーキ、まんじゅう
- アルコール、コーヒー、炭酸飲料
- 柑橘類
- 夕食後就寝まで3時間以上空ける などに気を付けてください。
お問い合わせ
モモ・メディカル・クリニックでは逆流性食道炎の治療にも力を入れています。逆流性食道炎を治療せずに放置していると、胃がんや食道がんを引き起こす事もありますので、上記の症状に該当する方は一度ご相談下さい。